#11

なんだかんだ言って結局、ドラマは全然見ないクールでした。なぜか一番見たのが「LOVE STORY」。私も最初の二回ぐらいは見たけど、つまんないので途中で止めたのよね。でも母親が毎週見てたんで、一時間丸々はなかったけど、結局ところどころかいつまんで目に入ってたんです。最終回も最後の方だけ見たんだけどね。

しかし前評判とは裏腹に、かなり不評だったみたい、このドラマ。特に主人公と同世代の女性にね。「フロン」にも「女性にうけるには、共感を得る事が一番大事」と書いてあったけど、とにかくこのドラマ、主人公の須藤美咲に共感できないのよ。今にもクビになりそうな契約社員の編集者、30歳独身、一人暮らし、男にはふられてばっかり、っていう設定だけ聞くと、いかにも見てる層の直球ど真ん中!って気がするのに。

ちゃんと見てないのに勝手な決めつけなんで申し訳ないけど、この美咲、別に会社をクビになろうが、男にふられようが、大して悩んでもいないし、不安になったりもしてないように見える。これは中山美穂の演技力のせいなのか、脚本のせいなのかわからないけど、誰に対しても妙に自信満々で、30女の卑屈さなど微塵もないんだよね。「ロンバケ」の南は、もうちょっと「崖っぷち感」があったんだけど。その溢れる自信はどこから来るのかと言えば、「私は美人」、これだけ。しかも、事実「美人」というだけで、(男達のフォローによって)数々の仕事の危機も乗り越え、ふられてもふられてもすぐ次の男が出てくるんだ。すごい切り札。

とにかくこの美咲、仕事に対する危機感がゼロで、担当の作家先生にはタメ口だわ、執筆中に突然押し掛けて失恋話するわ、自分で企画した新作発表パーティーをすっぽかすわ、ひどいんだ。で、遂にお局社員から、担当をはずされてしまうんだけど、その美咲に池谷(加藤晴彦)が言うのよね。「美咲さん、美人だから嫉妬されてるんですよ。女の人ってそういうのあるでしょう。」はぁーー???そういう問題かぁー?で、美咲も「うん…」とか納得しちゃってやんの。あいたた。「私、一生懸命やってるのになぁ。」ってほんとにそう思ってますか?美咲が仕事で失敗したり、男にふられたりすると、なぜか周りの忠犬無害男が、「美咲さんは美人でみんなの憧れ。」「美咲さんはかわいい。」「だから大丈夫!(何が?)」と励ましてくれる。ビューネ君かい。ユースケもそのためだけのゲスト出演よね。「視聴者のOLはそういう願望あるでしょ?」とか思われてんのかもしれんが、誉めるとこが「美人」なだけじゃ、共感できっこないっす。

で、結局売れっ子作家にプロポーズされ、会社はクビになったものの、「いざとなったら君ぐらい養っていける」とか言われちゃうわけだ。良かったね、もう仕事しない方がいいと思うよ。向いてないから。でも永瀬の妻になったら、今以上に傲慢になりそう。「池谷ィー!お茶入れてよ!」とかやりそう。でも永瀬さんは「君がいなければ僕は小説が書けない」とか言ってそう。まあまずその前に、結婚までたどり着けるかが問題だけどね。だって今まで大抵一回デートしたらふられちゃってるもん。これってまさに「美人」以外取り柄がない、っていう証明だと思うんだけど…。ガンバレ!美咲ちゃん。(心にもないフォロー)