#6

今日は何と言っても、陽子(末永遙)のセリフにド肝を抜かれました。母親(浅野ゆう子)の若い頃の浴衣で盆踊りに行くのを楽しみにしていた陽子が、母親に浴衣を隠されてしまい、仕方なくセーラー服のまま「東京音頭」を踊っている。踊っているうちに悲しくなって来る陽子。でも我慢して踊る。単なる町内の盆踊りだ。誰も強制していないのだから、無理して「♪ちょいと東京音頭〜ヨイヨイ」と続ける必要はない気がする。そこに父親(三浦友和)と母の親友(戸田恵子)がやって来て、陽子はたまらず「おばさま〜!」と泣きついてしまう。当然「どうしたの?」と驚く周囲に、陽子は涙を浮かべた顔をきっと上げると、余りにも突拍子もない事を言うのだった。「私、太鼓叩きたい!」陽子、お前は能瀬慶子か!

その後父親が家に帰り、かなりシリアスなシーンが展開されたわけだけど、その途中、櫓の上でセーラー服で太鼓を叩く陽子のショットが挟み込まれるので、笑っちゃってしょうがなかった。能瀬慶子ついでに、「しのぶっちゃん」という柴田恭平のモノマネまで思い出してしまった。「ここはどこ?私は誰?」も思い出してしまった。恐らくこれを読んでる大半の人には通じない話題でしょう。すいません。話を氷点に戻して、なんだかこの陽子は、はっきりと「母親が悪い」って意識を持ってるように見えちゃうのよね。どっちかと言うと憎んでさえいるような。原作は昭和三十年代の話だし小説だから、「完璧ないい子」つーのもすんなり読めたのかな。すんなりって事ないか、多少「胡散臭い女だ」と思ったけど。いくらお嬢様だとは言え、あんなイジワルされて、「育ててくれてありがとう」なんて言える中学生、2001年にはいないでしょう。そういや原作本まだ見つからないや。