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日テレ系 土21 公式

【STAFF】

【CAST】

すいか DVD-BOX (4枚組)
すいか DVD-BOX (4枚組)
posted with amazlet on 05.12.25
バップ (2003/12/21)
おすすめ度の平均: 4.86
5 もたいまさこの名言
5 とにかく見て損無し!
5 すいか

#1「逃げる女煮つまる女」

舞台は1983年、28点のテストを燃やしている女子中学生。そこにやって来た双子の女の子達。「どうせ1999年になったらハルマゲドンで世界が滅亡しちゃうんだから、そんな事しなくていいのに。」「ハルマゲドン?」「ノストラダムスの大予言だよ。」「…あ、カレーの匂い。」「これもみんな、なくなっちゃうのかなあ。」
・・・・・・・・・・
そして20年後の2003年、世界は滅亡してない。早川基子(小林聡美)は信用金庫のベテランOL。同期の馬場万里子(小泉今日子)と暗い会議室で昼の弁当を食べつつ、上辺だけのどうでもいい会話をしてる。「実は私、飛行機乗った事ないんだよね。」「私も。」「じゃあ大トロは?」「食べたことない。」「やっぱりねえ。」とつくづく地味な二人。ところがその日の午後、早退した万里子が三億円を横領したと聞いて、基子は仰天するのだった…。

えー、私はドラマを、まずは一回普通に流して見ます。その後キャプ画を作る為にもう一回再生するんですが、時間もないのであらかじめ「あそことあそこにしよう」と大体考えておいてから早送りして、そこの画面をキャプチャするんですね。しかしこのドラマは、早送りしようと思いつつ、ついまたもう一回見入ってしまいました。しかもまた泣いてしまいました…。いや、本来はコメディだと思うし、笑える場面もたくさんあるんだけど、泣けてしょうがなかった。これはヤバい。何しろ基子と私の境遇が似すぎている。いや、ここまで煮詰まってないと思いたいけど、ハマるなって方が無理です。

私「7月期の展望」みたいな日記でこの「すいか」について、「昔の大人向け日テレドラマ(ちょっとマイウエイとか)みたいな感じだったらいいなあ」と軽い気持ちで書いたんですが、日テレはその気だったんですね。ここ最近ドラマのレベル低下が叫ばれつつも、結局視聴率を取るのは「GOOD LUCK!!」か「渡る世間」みたいなものになっちゃって、制作側のモチベーション下がってんじゃない?もう昔みたいな作品は作れないんじゃない?って思ってたんですけどね。なんだ、こういうの作れるんじゃん!確かにジャニーズもモデル上がりの美男美女も出ないし、ドロドロした恋愛や猟奇殺人があるわけじゃない。でもこういうのを待ってたんだってば!

初回に出てきた男性は、信用金庫の上司と大学の生徒ぐらい。基子も万里子もハピネス三茶の住人も、男っ気は全くなさそう。私、確かに男がたくさん出てくるドラマ好きですよ。でもこういう女同士の友情を描いたものも、同じくらい好きなのね。もう既に全員のキャラが愛おしくてしょうがない。結婚してからの女優キョンキョンはいいと思った事なかったのに、この万里子は良かったです。小林&ともさかは安心して見てられる。市川実日子ちゃんは一番若いのに、大家さんで賄い担当ってのがいいなあ。子供がそのまま大きくなったような、天真爛漫でくるくる変わる表情が面白い。そしてそしてルリ子様!期待通り美しく格好良く、ちょっと抜けててかわいい!あー最高。来週から高橋克実さんと金子貴俊君が出るみたいだけど、この二人なら「女だけの世界」を壊さないでいてくれるでしょう。イケメンライダーとかが出てなくて、本当に良かった。

そして役者さん達も素晴らしいんだけど、セリフが凄くいいんです。思わず書き留めてしまいたくなるぐらい。まず逃亡した万里子が基子に電話をかけて来た時のセリフ。

「今日ね、生まれて初めて飛行機乗ったよ。うん、ビジネスクラス。思ったより普通だった。ブランド品も山ほど買ったけど、あんまり面白くなかったなあ。あたし、道間違えちゃったみたい…。ハヤカワー、緑が目にしみるってほんとだぞ。お金なんかなくたって、人生楽しめたのかもなあ、なんつって、三億使った私が言うのも変だけど。間違えさえしなけりゃ、人生楽しかったのかも。ハヤカワー、いい人生送れよ。」

電話を切った基子が泣いていると、「大丈夫?」とハンカチを差し出してくれたのが夏子(浅丘ルリ子)。基子は彼女を追って、ハピネス三茶へ…。そしてそこで会った絆(ともさか)が、20年前の双子の片割れだとわかった時の基子との会話。

基子「あの生意気な子は?今何してんですか?」
絆「死んじゃいました。」
基子「え?死んだって…。」
絆「ほんとに滅亡しちゃいました。1999年に。いいとこに就職して、恋人も出来て、何もかも絶好調ですって時に、逝っちゃいました。お姉ちゃんと一緒に、私も滅亡しちゃったみたい。あの日から私って、終わった世界をダラダラ生きてるだけなのかもしれませんねえ。あ、死ぬの私だったら良かったのに。そしたら泣く人も少なくて済んだし、その方が効率がいいっていうの?」
基子「そんなこと言うもんじゃありません!」
絆「だって、ほんとのことだもん。」
基子「誰が死んだって、同じくらい悲しいに決まってるでしょ。」
絆「そうかな。」
基子「そうです。」
二人「…」
絆「三人でいたとき、あの時も今みたいにカレーの匂いしましたね。」
基子「こんなにカレーの匂いしてんのに、…そうですか。今いないんですか…。」

そして皆で一緒にカレーを食べ、夏子とゆか(市川実日子)と近所のバーへ。絆は?と聞くと、仕事に戻ったという。彼女は現在所持金83円なのだとか。

夏子「あなた、この世にそんな女がいるなんて信じられないって思いましたね?今。」
基子「…はい。」
夏子「それは違います。色々いていいんです。」
基子「…私みたいなもんも、いていいんですかね?」
夏子「いてよし。」

うなづく基子。そしてハピネス三茶に戻った基子は、絆に所持金を全部渡す。今まで34年間、一度も人に金を貸した事がなかったけど、あなたならいいかと思って、と。絶対他人を入れた事がない絆の部屋に、基子がいるのに驚くゆか。どうやら基子が次の下宿人になりそう?そしてゆかは海外の父にメールを送る。

「今日、今年初めてのすいかを買いました。半分に切ったやつです。いつか、下宿人でいっぱいになったら、すいかを丸々一個買おうと思います。そんな日が来るように、お父さんもスリランカで祈って下さい。ゆか。」

そして家への帰り道、万里子に向けて独り言をつぶやく基子。

「ああ、長い一日だったねえ、馬場ちゃん。私もうち出てみよっかなあ。私みたいなもんでも、一人で生きて行けますかねえ。ねえ?どうですかねえ?」


この双子ちゃん、なかなかともさかに似てる。

節電の為、電気を消された会議室で食べる昼食。うお〜リアルじゃあ〜!

ルリ子様のメイクは、80〜90年代にはひどく浮いて見えましたが、今では案外普通な感じでした。時代が一周して追いついて来たのか…。

ちょっと大林宣彦チックな回想シーン。

実日子ちゃんとともさかのファッションもかわいい。

出たあ!白石加代子!煎餅食べるのにここまで怖い顔する人、初めて見ました。

基子と出会った事で、絆も変わった?彼女は売れないエロ漫画家で、漫画はカトリーヌあやこさんが描いてます。

なんかすいません、無意味に長くなっちゃいました。この長さで察していただける通り、マジでオススメです。ドラマなんて見ないという人も、とりあえずこれだけ見てみて下さい。特に20代後半以上の女性におすすめ。

#2「涙をふいて恋が始まる」

先週見て「これは傑作!」と思い、色んな人に勧めまくっていたら、AERAに"ドラマ「すいか」 働く女なら泣ける"などという記事が載ったそう。なんかそうやって「30代独身女性に『癒される』と大人気」みたいな評判になっちゃうとさあ、ちょっと「ハマってます」って公言するのが恥ずかしくなって来るのよね…。「きみペ」同様、自分のズリネタ(お下品ね)公開してるみたいな気がしちゃって…。考えすぎ?

ま、自意識過剰はほどほどにしとくとして、第2回もしみじみと良かったです。先週みたいに号泣って事はなかったけど、じーんとしたり、心があったかくなったり、ちくっとしたり、うるっと来たり。淡々としたドラマなのに、心の奥底が静かに揺さぶられる感じ。今回はともさか中心でしたね。以前から言ってたように、この子の体はエロいですよ!お洋服もほんと可愛い。スタイリストが安野ともこさんなんだよね。なるほどーって感じ。昔クリエーションのPacificてバンドで、「家族と友人たちへ…」とか日本語ナレーションしてたのって安野さんじゃなかったっけ?(注:すいませんナカノトモコさんて人だったみたい…ずっと安野さんだと思い込んでました。アホだ。)ってまた話が脱線してますが、露出度が高いともさかとは逆に、小林聡美はいつも襟元がつまったブラウスとか着てて、それも「らしい」感じですねー。

あと今回から登場した男性陣、高橋克実さんと金子貴俊君もバッチリでした。金子君こういう役も出来るんだね。私がギンガムチェックのシャツ着てる男の子を、無条件に好きだというのをさっ引いても、とてもかわいかったし、ともさかとのコンビもほのぼのしていい感じでした。そして今回もまたいいセリフがたくさん。やはりルリ子教授の言葉は格別です。あんな人に「みんな何かしら埋めて生きてるのよ。安心して忘れなさい、私が覚えといてあげるから。」なんて言ってもらえたら、どんなに心強いだろう。私もいつか、あれぐらい確固とした自分を持てるようになるのかな。

「人間には、年齢なんてないのよ。エディプス期を通過した者と、そうでない者がいるだけなんです。あなたは今日、エディプス期を通過する為の一歩を踏み始めました。違いますか?とりあえず、おめでとう。」

今日は基子にとっても、新しい一歩を踏み出した誕生日だったんですね。

フラれてラブレターを庭に埋める男の子、なんてのも少女マンガチックよね。

このペディキュアのエピソードもうまいなあ。つーか綺麗に塗ってますね。

先週の煎餅吸い食いに、そんな伏線があったとは!

教授の部屋(それもすぐ手の届く所)に弓矢があるってのが凄い。

ともさか、背中きれい。帽子とブラとサンダルの赤が効いてるね。

この「おこづかい」もジーンと来たなあ。ティッシュに包むあたり、基子の性格表してる。

今日が絆の誕生日と知って、お姉ちゃんの分と二つショートケーキを買ってくれた野口君。「お姉ちゃん23歳のままだからさ、ろうそく4本余っちゃった。ろうそくの匂いって寂しい…。寂しいよ、お姉ちゃん。」。・゚・(ノД`)・゚・。

そうそう、馬場ちゃんは果たして逃げ通せるんでしょうか。ラブホの回転ベッドでニュースを見ながら、「もう少しマシな写真あったろうがよーハヤカワー」とつぶやくキョンキョン、気だるくて良かったわ。

#3「百円玉で買った幸せ!?」

さすがに三回目ともなると、ちょっと登場人物に饒舌に語らせすぎでくどいかな?説教臭いかも?と思いながら前半見てました。でも教授がボロボロになって帰って来た辺りから、おかしいやらジーンと来るやらの連続で、すっかりそんなの吹き飛んじゃいました。やはり浅丘ルリ子は卑怯だ。知恵の輪を力ずくで引きちぎるルリ子、「あたし厚化粧大好きだも〜ん!」と開き直るルリ子、露店でいちゃもん付けてる男にパンチ食らわすルリ子、喧嘩してコントの爆発後みたいになってるルリ子、相手の前髪引きちぎっちゃうルリ子、最終的にそいつと仲良くなってプリクラ撮ってるルリ子、もうもうもう、何やっても全て面白すぎ!

どうやら一週ごとに、交代で小林聡美とともさか中心の話になるのかな?今回は中学時代からの百円玉貯金を使って殻を破ろうとする基子と、絆にあげようとした6万8千円のブレスレットを突き返された野口君、そして三億円で買ったヴィトンのバッグを女の子にあげてしまった馬場ちゃんていうのが、「欲しいのは数字じゃなくて心なんだ」っていう話で繋がっていて、一方学生時代からの親友に迫った死を「人間は誰でも終わりがあるのだから、仕方がない」と受け止めようとする教授と、アイスのくじが連続して当たってしまい、「もう終わってくれ」と願うゆかっていう話も繋がっていて、知恵の輪の「はずれたー」とくじの「はずれたー」とか、「うさぎ飼いたい」話とか、百円玉をばらまく基子と馬場ちゃんの写真とか、とにかく色んな伏線がうまーく絡み合って、見事な構成でした。

そして私の一番のウルウルシーン、もう皆さん想像つきますよね…。もちろん基子が、部長(嫌な奴専門役者・中丸新将)に引越祝いをあげよう、と言われて、「誉めてください。」と頼んだところです。最初は基子が用意した原稿をぎこちなく読んでいた部長が、「早川ちゃんには、ほんと感謝してるんだぜ。いつもありがとう。」と自分の言葉で語り出し、最後にしみじみと「馬場ちゃんにもさあ、ちゃんと今みたいに言ってあげれば良かったよな。そしたら、三億使う事なかったのにな。」って。部長もあんな事件が起こって相当苦労してるだろうに、そんな風に言ってくれるなんて…。もう、私まで嬉しくて涙ボロボロっすよ。絆に電話して、「聞いてくれます?あのね、部長って人間だったんですよ!」って嬉しそうに言う基子の気持ち、痛いほどわかる。教授と喧嘩した男も最後にはうさぎちゃんと飼ってたり、このドラマ、悪人が全然いないのがいい!ちょっとイライラしてたりしても、これを見終わった後には、自分もなんだか優しい気分になってるんだよね。


ルリ子パンチ炸裂〜!マジかっこよすぎ。

「何を話すかメモ」まで作成しながら、みんなに無視される間々田さん。

教授…一体どんな喧嘩したんすか、大の男と。

あの男の髪型不自然だなーと思ってたら、こういう事だったのね…。

おいしそう〜!野菜を天日で干してから炒めるの、やってみようかな。

このプリクラ、枠に「Friend」って入ってるの。笑えるけど泣けるなあ。

制服姿の小林聡美は、女子高生に見える。昔と変わらないなあ。

逃亡中の馬場ちゃんからこんなふざけた写真が…。彼女も重罪人なんだけどさ、なんか憎めない感じでいいんだよね。まったりドラマの中で、ぴりっと緊張感効かせる役割してると思う。

間々田さんが言ってた、「俺の話を聞いてくれたのはタモン君だけだ」っての、光石研の事じゃないのかな?

そして次回予告…。片桐はいりキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!楽しみだ!

#4「私、面白い人間ですか」

4話目。うーむ、全くクオリティ落ちてない。これはもしかしたらもしかして、本気で凄いドラマになるかもよ?脚本家の木皿泉さんというのは、夫婦二人合わせたペンネームだそうです。「やっぱり猫が好き」の数話や単発ドラマ程度で、さほどネームバリューはない方達だと思いますが、きちんと時間をかけて脚本を作り込んでるなあと感心します。ここんとこ、「あの脚本家なら」って期待させといて、裏切られるドラマが多いんですよね。撮影ギリギリまで書いて出し、とかじゃなく、もっと余裕持って作ってもらえるといいのにね。まあお金がないから大変なんだろうけど、現にこうやってちゃんと作ってる作品もあるんだから。

今回もまたクロスワードパズルのように、色んなキーワードが縦にも横にも張り巡らされ、それぞれリンクしているのでした。こういう伏線がたくさんある話大好き!それでいて全体としてはまったり、ほのぼのした雰囲気なのがいいんですね。えー気づいたのを挙げてみると、

  • なくしたもの→後に本人以外の人が発見
    • 基子の制服…絆がゴミ箱から拾う
    • 間々田の結婚指輪…教授が洗面所で見つける
    • ミッシェルの目…基子が部屋で見つける
  • 今まで日常的に続いていた事が終わる→結局元に戻る
    • 基子が初めて会社をサボる
    • 絆が漫画家を辞める
    • 教授が長年住んだハピネス三茶から、京都に引っ越す
  • なにかにハマるということ
    • 絆に恋してハマる野口君
    • プチプチと半七捕物帖にハマるゆか
    • お母さんはかつてお父さんにハマり、産まれた私にハマったが、妻や母親に飽きて出て行ってしまったのかな?と考えるゆか
  • 意外性・裏の顔
    • 「もしつき合ったらあなたは私に幻滅する」と言う絆
    • 一見タオルに見えるが、中には何か別なものが?
    • 刑事(片桐はいり)のなりたい物は、マジシャンの横にいる助手の女性
    • リバーシブルのベスト
  • 群れる女
    • 群れる女はモテない!「孤独なフリで殿方をゲッツ!」
    • ベストで後輩の人気者(=群れる女)になった基子
  • 御用提灯・十手・半七捕物帖

こんな感じ?もっとあるかもですけど。今回はとにかく片桐はいりインパクトが強烈でした。でもやっぱり基子に色々言って聞かせるシーンは、少し喋りすぎかなあって。凄くいい事言ってるんだけど、あまり語りすぎるとかえってこっちは冷めてしまう。それより私は、教授とゆかの話の方が、言葉で説明しすぎないとこが良かったです。ゆかちゃんほんとかわいいなあ。彼女っていつも他の人の騒ぎとはあまり直接関わらなくて、一人のほほんとしてる感じなんだけど、毎回最後のモノローグ(お父さんへのメール)でずばっと真理みたいなものを言っていて、一番若いのに達観してる感じなのよね。まあそういう役回りなんだけども、毎回このナレーションでうるうる来たりほんわかしたりして終わり、なので後味が非常にいいのです。今回はこんなセリフでした。

 「今、半七にハマってます。めちゃ面白いです。綺堂天才です。
  お母さんも、何か面白いことにハマっていたらいいのに。
  一つのことでなくていいから、明日も、次の日も、生きていたくなるような。
  それだけで幸せになれるようなものに、ハマっていたらいいのに。」


ゴキブリ用スリッパ。はいりのリアクションが最高。

ひーーコワっ!!この穴、効果的に使ってますよねー。

「こんな私でも好き?」といきなり鼻の穴に指突っ込む絆。金子君てやっぱりオカマっぽいなあ…。そこがこの役にぴったりでとてもいいわ。

豪快に桃を食らうはいり。もしかして後にハピネス三茶の住人になったりする?

目を付け替えたら「知性がなくなった」ミッシェルたん。

今週のウルウルポイント。「教授の約束はもう無効ッす。好きな時に出て行っていいデス ゆか」大人だなあ〜。

このリメイクかわいい〜!エルメスというかヴィトンでなかったっけ、こういうの。

本日のもたいさん「帰ってちょうだい」は綱吉に。

#5「父さん、私ダメ娘です」

ここ二週ぐらい、ちと気になっていた「イイ台詞を饒舌に語りすぎ」問題(大げさ)、今回は言葉ではなく、絵で見せてくれる場面が多くなってましたね。特に私がおっと思ったのが、基子のお母さんに対する想いの表現。絆に「親いるのにいないように暮らしたりして。」って語ってるとこ、公園で疲れた顔してアイス食べてるお母さんのショット、そして最後に基子からの絵ハガキ(内容は「元気ですか?」とか大したことない)が届いて、「ああ、基子。」とちょっと嬉しそうな顔。そこでハガキに滅茶苦茶イイ文章が書いてあったり、それ読んだお母さんが泣いたりとか、そういう押しつけがましさが一切なかったのが良かったです。今回は絆がお父さんの事で泣くシーンがあったから、基子はあっさりしたエピソードにしておいて吉。それでも後々考えると、じーんと来るものがあるんですよね。

今回のテーマは、やっぱり基子のこの台詞かな?

「そうやって馬場ちゃんの事もなかったことにして、エロマンガ家をクリエイティブな職業だなんて言い換えたりして、親いるのにいないように暮らしたりして。あるのにないことにするっていうのは、間違ってると思うんです。そんなに簡単に切り捨てて生きてって、それでいいのかなって、そう思うんです。いないことにされるのは、つらすぎます。」

基子は馬場ちゃんとか自分の親のことを「いないことにされてる」って言ってたんだけども、実は絆は、双子の姉が亡くなった時、父親がショックのあまり、自分を姉の名前でしか呼んでくれないという経験をしていた。うおー、それって「生徒諸君」でもあったよね!とか古い反応をする私。傷ついた絆は、ハピネス三茶の柱に「私を待っていてくれた人へ ありがとう」と落書きしていた。そして数年後、その部屋に住むことになり、その落書きを発見したのが基子。友達が馬場ちゃんしかいなかった基子だけど、馬場ちゃんとの写真の横に、新たに絆とのツーショット写真も加わった。いいねーいいねー。劇的な出来事があるわけじゃないけど、二人とも少しずつ、殻を破り始めているのね。

次回予告では柏原弟がゲスト出演?どうやら絆のお姉ちゃんの、元恋人みたいね。最初このドラマにはイケメンはいらない!と思っていたけど、もうここまで世界が確立されちゃえば、何が来たって大丈夫じゃないかな。それよりここんとこ馬場ちゃんの出番がないので、どうしているのか心配です。それでは最後に、またゆかちゃんのモノローグを。

「今日も郵便局のお兄さんは、来ることは来たのですが、
 永久(とこしえ)に札束を配達してくれそうにもありません。
 しかし、こんなことを言っている今も、誰かが誰かの為に、必死に走っているのです。
 今日も何もかも放り出して、誰かの為に、一生懸命走っている人がいるのです。
 お父さん、私たちが思っているより、世界は愛に満ちているのかも。」


腰みの付けて街を闊歩する教授。素敵すぎ。

もう、ともさかが可愛すぎる〜!中身も服も。これよく見たら、四枚重ね着してるのね。

父親の本棚、岩波のナルニア国シリーズの裏には、絆のエロ漫画が全巻揃っていた!これはね、泣けるっしょ…。しかし本名でエロ漫画描いてるのか、絆は。

帰るなりメロンを半分に切って、立ったまま台所で食べ始める父の後ろ姿。このお父さんも、あまりちゃんと顔映さないのが良かったな。

この泣き方はうまかったねー。目を押さえる指が綺麗だなあ、と思った。

みんなで即席アシスタント。「先生、もっと難しいことやりたいんですけど。」と言う教授、嬉々としておにぎり作ってる間々田さん、ゆかちゃんのねじり鉢巻きがカワイイ。

ごめんなさい、私、これダメ。なぜか「箸箱=ばっちい」っていう先入観が…。新品でもきちんと洗ってても、多分生理的に受け付けないわー。「湯飲みでお茶漬け」なら大丈夫。

#6「恋する幽霊 秘密の再会」

お盆らしく、死んだ人(結・リチャード)・いなくなった人(馬場ちゃん・ゆか母の駆け落ち相手)との再会、という話。私、幽霊ってあんまり怖いと思わないのね。昔は人並みに怖がってたけど、父が亡くなってからは「幽霊ったって、元は私達と同じように生きてた人間じゃん。」て思うようになって。だから普通にリチャードに話しかける教授や、結を見たという基子を羨ましがったり、急いで外に追いかけて行く絆の気持ちはよくわかる。だって会いたくても会えないんだもん。馬場ちゃんと同じなのよ。でも「30年後に迎えに来て」って約束してたリチャードに、「あなたが死んだとき、この世は終わったと思ったわ。でも、終わらなかったの。生きてるのが楽しいの。ごめんなさい。あたし、変わってしまったの」と真剣に語る教授は良かったな。そう、教授は「真剣さ」にこだわる人なのね。痴話喧嘩の野次馬でさえ、裸足で駆けつけるほど真剣なのだ。

それにしても、基子と馬場ちゃんの関係はいいね。第一話を見た時は、お弁当の時に上っつらだけの会話をする程度の、ただの同僚って感じなのかなーと思っていたのに。事件が起こってみて、改めてお互いの存在の重要さに気づいたって事なのかな。馬場ちゃんの好物の「おのろけ豆」をお供え物のように積み上げて、思い出の喫茶店で待ち続ける基子。基子が絶対待ってると信じて、「ハヤカワ、これすっごくうまいから食べてみな」とだけ書いたメモを入れ、にお米を届けさせる馬場ちゃん。基子の為に、山ほどもずく酢を用意して待ってるお母さん。そして長居する基子に「気を遣わなくていいですよ。」と言うウエイターに、見ず知らずの馬場ちゃんに頼まれ、雨の中東京駅からお米を運んでくれた青年。人を思う気持ちってあったかいなあ。

しんみりする一方で、間々田さんは相変わらず笑わせてくれるし、ゆかちゃんは相変わらずかわいい。実日子ちゃん大きいパッチン留めが似合ってたな。それにしてもこのドラマは、安野とも子さんのスタイリングもさることながら、先週のナルニア国シリーズだとか、今週のレトロな名曲喫茶だとか、ごはんを黄色いルクルーゼで炊いたりだとか、オリーブ少女趣味な小道具満載ですね。衣装は全てアルマーニ、サングラスはレイバンシャンパンにミントチョコレート…なんて某ドラマとは、対極の世界だなあ。

んじゃ、今日もゆかちゃんのモノローグでおしまい。

「死んだ人と生きている人がごちゃまぜになった夜、私たちが食べたおにぎりは、この世のものと思えないほどおいしくて。
 食べられるだけ食べた後、深い眠りについた。
  もし宇宙人がこの夜の私たちを見たなら、生きている幸せがどんなものか、一目でわかったのにと思う。
 生きている幸せを見ることができるのは、そこから遠く離れた人だけなのかもしれません。
 幸せの真っ最中の本人は、きっと気づくことさえないのです。」


痴話喧嘩見物も終わり、片っぽずつサンダル履いて、ケンケンで帰る教授と基子。

間々田さんのプチ整形〜!ってぼく魔の田町浩二を思い出したりして。

行き詰まった男は植木を抜くの法則?でも野口君はスケールが小さいと。

この喫茶店、セットじゃないよね?どこにあるんだろ。

結ちゃんはコンサバ系なのか。胸の谷間が眩すぃ。

ちょっと舞台みたいな感じのファンタジックな演出。

おにぎりもおいしそうだったよー。微妙に大きさが違ったりするのがいい。

「私はツチノコを見ましたー!」と言いたくても言えない馬場ちゃん。この撮影、大変だったろうなあ。

#7「幸福を呼ぶオッパイ!?」      

途中まで見て、なんか今日は少し違和感がある?久しぶりなせいかな?と思ったら、脚本家が違う人だったのですね。今回はいつもより笑えるシーンが多めだったような。「いつまでも嫁に行かない娘を目覚めさせる方法」ってセミナーは凄いな。「35歳以上の女で成功する為には、才能かおっぱいが必要」かあ。私は別に成功するつもりはないんで…細々と暮らして行ければそれでいいっす。結婚すれば成功ってわけでもないだろうし。しかしこのお母さん、とんちんかんなようでいて、「ここの人たちはね、普通じゃないのよ。普通じゃないってことは才能があるって事なんです。大学教授に漫画家、もう一人は若いし。あんた、みんなと一緒のつもりになってるんだろうけど、ほっといたらひとりぼっちになるのよ。」なんて、あまりにもズバっと本質を言い当てていて、私も身を切られる思いでございました。

んで今回は何より篠井英介さん!「花柳もえこ」の名でセミナー講師やってる姿が全く違和感ないので、もしかして女性の役?なんて思ってしまったけど、やはりゲイで。基子のお母さんに「人は自分達とは違うものは、群れから排除するんです。」なんて言ってるとこで、「あ、もしかしてこの人が八木田君?」て思ったらビンゴ!そっか、モロッコ=性転換手術かー!ところで切ったモノをどうするかって内緒話してたでしょ?あれ私知ってるんですよ。フフフ…知りたい?ってまた話がそれたわ。こっから先はもう、いつものホロリタイム。

「私、手術する前は、色んな事がうまくいかないとね、自分が男だからだって思ってたんです。男だから差別される、男だからまともに相手にしてもらえないんだって。でも違ってました。男、女、そんな問題じゃない。僕自身の問題だった。」

一人称が「私」から「僕」に変わってるのね。これ、普通は女性の言う台詞だろうけど、ゲイの男性に言わせてるところが、ひとひねりされてて更に考えさせられる。

「(中略)でも僕がゲイだって事がチームのメンバーにばれて、僕と一緒に山に入るの嫌だって言い出して、仲間はずれにされて。」
「そうだったんだ。」
「僕頭に来て、研究費持ち逃げしてカサブランカに。」
「それで切っちゃったのね。」
「でも、間違ってた…。僕がゲイだから仲間はずれにされたんじゃない。僕が、嫌な奴だったから。…ああ、僕の人生、これで良かったのか。」
「もちろんよ。だって自分で決めた道じゃない?」
「ああ、良かった…。ずっと誰かにそう言ってもらいたかった…。」

そして八木田君を抱きしめる教授。うえーん!良かったねほんとに。毎回言ってるけど、なんて包容力なの、教授!素敵すぎる!私もあんな風に抱きしめてもらいたい。でもその前に、教授に馬場ちゃんを抱きしめてあげて欲しいな。シンギングドッグのように、「私はここにいるよ」って吠えてる馬場ちゃんを。

なんだか予告では基子のお母さんが癌?そして金子君が北海道に就職?えー、寂しすぎる!でもきっとこのドラマだから、それは勘違いって事で杞憂に終わるんじゃないかな。そうあって欲しい。失いかけてその人の大切さを知る基子と絆、というお話なんじゃないでしょうか。

では今週のゆかちゃんモノローグ。

「そんなわけで、ハピネス三茶新メニューby私は、とっても好評です。
 私には料理の才能があるって基子さんは言うけど、本当でしょうか。
 だけどそもそも才能って何か、私にはわかりません。
 ただ才能なんかなくっても、この世には、そのまま綺麗な宝石箱にしまっておきたくなるような、かけがえのない瞬間があるんだと思います。
 それはどうしようもなく寂しい時、「寂しいよね」って頷いてくれる誰かの声。
 暑かった一日が終わって、優しい風に吹かれる心地よさ。
 そんな些細なことだと思うんです。」


うわ、銀粉蝶まで!濃すぎるメンツ…。白石加代子が出てくると、眉毛に釘付け。

才能=内舘牧子、おっぱい=叶姉妹、っていうセレクトがいいじゃん。

米倉斉加年、おじいちゃんになったなあ。「ジャンの人」じゃ若者には通じないか…。

絆の「いつ爆発するかわからない爆弾」こと、お姉ちゃんの遺品。小物のセンスが光るこのドラマで、岡崎京子のリバーズエッジてのはちと直球すぎないかい?とも思ったけど、それって後のシーン↓と繋がってるのかなあ。

リバーズエッジでも、河原に死体(宝物)を埋めてたでしょ。

ここの篠井さん良かったなあ。しかしルリ子と並ぶとまたしても濃いっすね…。

キョンキョンは毎回田舎にロケなんですな。他の人と絡みなくて寂しいだろうなー。

今回はいっぱいゆかちゃんの料理が出てきておいしそうだった!これも冷やしうどんの上に、豚肉とトマトとなすと青じそかな?載ってるの。めちゃうまそ〜。

#8「母がガンになっても…」

先週の予告でお母さんがガンらしいってシーンがあったけども、このドラマの事だから、何かの間違いとか、お母さんが基子を家に帰そうと思って仕組んだ嘘なのかと思っていたのに。本当に、本当なんですか?でもさ、今回のテーマは馬場ちゃんの言った、「終わるつもりだったのに、また始まっちゃった。」でしょ?亀もワープロも女子学生も生き返ったんだし、お母さんも、そしてつなよしも無事でいて欲しいよ。

それにしても今回は、このまったりドラマにしては珍しく、ショッキングな展開でした。基子はお母さんがガン宣告されるし、教授は当てつけで自殺されちゃうし、絆は野口君とつなよしにいきなり去られちゃうし。今までは毎回気持ちがほんわかして、元気になれるお話ばっかりだったけど、永遠にずっとぬるま湯につかってられるわけじゃない。人生って色々あるんだよって言われた気がした。

「でもこの仕事を選んだのは自分だから、何が起ころうと逃げずに、どんな事も引き受けて、生きていくつもりよ。自分の人生は誰も肩代わりしてくれないものだから、自分で責任を負うしかないのよ。はぁ…、でも本当のこと言うと、あなたがもし死んでたら、そのこと背負いきれなくて、大学も辞めて、あたし何をしたらいいかわからなくなってたかもしれない。生きていてくれて、ありがとう。私たちはまだまだラッキーよ。」

教授が自殺した子に言っていた言葉。そうなんだよ、人生楽しい事ばかりじゃない。でも自分で選んだ人生なら、その責任は全て自分で背負わなきゃ。その上で自分の選択に自信を持って、精一杯楽しまないとね。いつも強くて迷いのない教授が、ちょっとだけ弱ってしまったけど、でも最後にはやっぱり前向きなのが凄いなと。

そして今回一番のウルウルシーン。基子が産まれた「ケーキの病院」前でのやりとりです。ここの白石加代子小林聡美の掛け合いは絶妙でした。本当の母娘みたい。小林さんが口をへの字に曲げて泣き出すところなんて、ものすごくリアルで。

「一番最初に言った言葉覚えてないの?」
「覚えてるわけないでしょうよ。」
「『バイバイ』って言ったのよ。最初に喋った言葉が『バイバイ』よ。私に向かって、『バイバイ』。ほんと薄情な娘よ。」
「そんなこと、今更言われても。」
「でね、あんた抱き上げたら、人の匂いがするのよ。」
「そりゃ当たり前じゃない。」
「違うのよ。それまではお乳の匂いしてたのよ。それなのに、突然人の匂いして。…寂しかった。嬉しくって、ものすごく寂しかった…。」
(母、泣く)
(基子、あめ玉を母の口に入れる)
「もお…泣くなってぇ。」
(基子、ハンカチを渡す)
「…入院しても、あんたに迷惑かけないようにするから。」
「なあに言ってんのよぉ。…なんでそういう事言うかなあ?」
(基子もこらえきれなくなる)
(母、基子にハンカチ渡す)
「あんたぁ、ハンカチにアイロンかかってないじゃないのお。」
「かけるヒマなかったのよ。」
「だらしない。…あ、あたし、洗濯物出しっぱなしだ。」
(母、背中を向けて歩き出す)
「帰んの?ねえ。」
「洗濯物。ついてこないで!」
(振り返らずに小走りに去って行く)


その後、一人で歩きながら「ケセラセラ」を歌ってるお母さんにも泣けました。「もしガンだったら買う」と嬉しそうに言っていた指輪、本当にガンだとわかったら、「やっぱり買わない」ってなっちゃうのもなんかわかるな。せっかくすき焼きだったのに、なんだかみんなしょんぼりして帰って来たその夜。いつものゆかちゃんのモノローグです。

「ゆうべ、夢を見ました。
 火星から地球を見ている夢です。
 火星の赤茶けた空に光る、ただただ青いその星は、とても寂しそうでした。
 直径何十億キロもある太陽系に、自分達以外に全く生物がいないという事を知りながら、何もない宇宙空間をたったひとりぼっちで、今日も回り続けているのです。
 それでも人類は生きて行かねばならない。
 教授曰く、どんな事も受け入れる根性さえあれば、生きる事は怖いものではないそうだ。
 私が夢で見た地球は、とても寂しく、美しい星だったのです。
 この日、つなよしだけはいつまで経っても帰って来ず、次の日も、その次の日になっても帰って来ませんでした。」


普通のサラリーマン役って珍しくない?UA夫ことムラジュン。このキャスティングもきっと、キョンキョンのコネなんだろうなあ。

まさかほんとに飛び降りると思わなかったんで、かなりびっくりしました。「単位をくれなければ死ぬなんて、生きるという事をバカにしてるとしか思えません。」という言葉、何事も真剣な教授らしい。

一、「帰ってちょうだい」はタイミングが命
一、「帰ってちょうだい」は宴にそえる香辛料
一、「帰ってちょうだい」に甘えが混じるとき−引き際と思い知れ!
一、泥船が沈むとき最後までいる…と

つなよしが打った「星。」の謎は?まさか遺言?

泣き出したお母さんの口に、あめ玉を放り込んでやる基子。ってなんかいいなあ。

交番に行ったものの留守で自首失敗。所持金も残り少ないし、馬場ちゃんの旅も終わりに近づいてるんだね。

実日子ちゃんの「泥船」コスプレかわいい!

#9「決戦!さよなら母さん」

うう、今回もめちゃ泣けたよ…。間々田さんとか教授の「糞詰まり」とかでクスっと笑っちゃうシーンの後に、いきなり泣かせるセリフが出てくるから油断できない。そしてまたしてもパズルのように、全部の話がうまーく繋がっていてほんとに感心。かなり完成度の高い脚本でした。ただやっぱりこのドラマ、自分自身や身近な人の「死」について、一回も実感持った事がないような若い人には、ピンと来ないかもしれないなあ。

  • お母さんあっさり退院−−−たま子さん亡くなる
  • 木星オバサン「ちゃんと話してごらん。あ、そっかって、わかってくれる人だって。言えば必ず伝わるって。そういう人だって。」−−−響一「人間て考えてたより柔軟ていうか、話せばわかるっていうか、一生懸命言えば伝わるっていう。人間て思ってるほど怖くないんじゃないですかね。」
  • 基子、20年後の自分に絶望−−−この間飛び降りた子、将来に絶望 → 教授の答えは、「この先何が起こるかなんて、誰にもわからない。ただ自分で責任を取るような生き方をしないと、納得のいく人生なんて、送れないと思うのよ。」
  • お墓−−−教授曰く「死んだ人を忘れないように。でも安心して忘れなさいっていう為に、作られたものだと思うわ。」−−−つなよしの座布団−−−すいかの芽−−−「お墓って、終わりじゃないんだ。始まりなんだ。」−−−馬場ちゃんお墓参り

何回も言ってるけど、基子の境遇って、ほんと私とかぶりすぎてるんですわ。私も自分の二十年後って想像したら、(リストラされない限り)今の会社にいて、代わり映えのない仕事してるだろうし、その上母親の介護とかも当然してるだろうし。全く基子と同じなのね。だからって特別絶望的な気持ちになったりしないのは、元々あまり上昇志向じゃないせいかな。人は人、自分は自分だし。「悔いのない人生を送らないと!」みたいに力むのも苦手なんだわ。うは、典型的なダメ人間。

うーん、なんだかあまりに内容が濃すぎて、うまくまとめる事ができません。ごめんね。仕方がないので恒例のゆかちゃんモノローグを。ああ、今週でもう終わりかあ。めちゃくちゃ寂しい。馬場ちゃんどうなっちゃうんだろう。どうか心が温かくなるようなラストでありますように。

  「お父さん、人の縁て誰が作ってるんでしょうね。
   聞いた話では、神様があっちの紐とこっちの紐を持ってきては、適当に結んだりしてるらしいです。
   昨日会うこともなかった人が、今日なくてはならない人になってるなんて、他に説明のしようがないんですから。
   ちょっとした事ですぐにほどけて傷ついたり、なかなかほどけなくていらいらしたり。
   そしてどんなに親しくなっても、最後は必ずほどけて、終わりが来るのです。
   私には、どんな紐が結ばれているのでしょうか。」


二十年後の想像図。お母さんますます派手になってるし…。アゴで「ホラ」とかやるだけで、なんでもツーカーな二人がおもろい。

「人生何が起こるかわからない」と言った途端に停電。この懐中電灯ワザ、舞台っぽい感じの演出でしたね。泥船のバーテンが初めて喋ったのにも驚き。

木星オバサン、めちゃめちゃいい味出してたなあ。退院する時のおばちゃん達のリアクションとか、嬌声とか、リアルすぎ。

何十年ぶりかで甘栗を食べる教授。ここも泣けた。教授なりの、たま子さんとのお別れの儀式なんだなあって。

で、こっちは座布団を燃やして吹っ切ろうとする絆。ペットがいきなりいなくなったら、立ち直るの大変だろうなあ…。

おせっかいで「いらんことしい」だけども、素知らぬ顔してこんな粋な事してくれるお母さん、素敵じゃん。

今回は以前出てきたゲストが色々再登場したのも嬉しかった。はいりの部下が、みんな若くてイケメンなのがおかしい。



…なんて笑ってたら、泣きながら「早川〜、苦しいよお〜!」と逃げる馬場ちゃんに、胸を突かれる。馬場ちゃん犯罪者なのに、なぜか憎めないんだよね。

#10「彼女達が別れる理由」

最終回もいつものようにまったりと、さりげなく終わりました。もたいさんの「帰らないでちょうだい」は、そう来たかー!と思わずにやり。基子と馬場ちゃんが会えたのは、本当に嬉しかった。昔と同じように、たわいのない話をしながらお弁当食べる二人。初回の時はこうやって上辺だけの会話してる、単なる同期って間柄なのかと思ったけど、これはこれで、彼女達なりのつき合い方だったんですね。ちゃんとお互いの事は思いやってて、ズケズケと深く踏み込まないっていう。もちろん事件が起こって、初めて相手の大切さを知ったってのもあるだろうけど。

馬場ちゃんが基子にチケットと買い物メモ、どっちを取る?って聞いた時、朝ご飯の後絆と二人で、「仕事なんて辞めて、南の島かなんかでのんびり暮らしてみたいね。」って言ってたし、チケット取るかなと思ったのね。ところが基子はメモを取って、「これ買って帰んないと、明日の朝みんなコーヒー飲めないんだよね。」と言った。その毅然とした表情が凄く良かったです。昔の基子だったら、「ごめんね馬場ちゃん〜」って泣きそうになってたと思う。でもハピネス三茶に住んで、「私は私が選んだ人生を生きている」って自覚ができたんだろうね。いや、基子は一回は「一緒に行こう」ってチケット受け取ろうとしたんだから、その後の馬場ちゃんの、「正直に言うとね、凄い久しぶりだった。お茶碗とお皿がふれ合う音とか、庭に水まいたり、台所に行って何かこしらえて、それをみんなで食べたりさ。なんか、そういうのみんな、私にはないんだよね。そんな大事なもの、たった三億円で手放しちゃったんだよね。」って言葉で気づいたのかもしれない。それがあの顔に表れてました。そして馬場ちゃんがわざとらしく「忘れ物しちゃった」って去って行った後、「馬場ちゃん。」てつぶやく顔、これも良かったなあ。

そんな「絶望と希望の人」((C)はいり刑事)に会った後ハピネス三茶に帰ると、みんながワイワイまつたけ焼いている。「早くしないとなくなっちゃいますよー」なんて言われながら台所に行くと、ちゃんと「基子さんの分」てまつたけが取ってあるんだよね。それを見た基子が、改めて台所のお茶碗や、布巾や、そういった馬場ちゃんが三億円と引き替えになくしてしまったものを見回す。ここでもう涙がぶわーっと出てきちゃいました。

そしてそんな「何気ない、普段通りの日々の幸せ」を実感させてくれたと思ったら、今度は教授が大学を辞め、ナポリへ旅立ってしまいます。「外に出ないと見えない事もあるのよ。もちろん中にいないとわからない事もあるわ。人はどこでも学べるという事を、実感したいの。遅すぎる事なんてないのよ。私たちはなんでもできるんだから。」物事なんでも表と裏があるんだよね。答えは一つじゃない。すいかのお墓から芽が出て、実がなったように、つなよしがふらっと帰ってきたように、何が起こるかわからない。

とにかくこのドラマからは、たくさんの素晴らしい言葉をもらいました。脚本、演出、役者さんの演技、衣装、小物、音楽、どれも欠けることなくクオリティが高く、日本のドラマもまだまだ捨てたもんじゃないわと嬉しくなりました。ネットの日記なんかでも、ドラマサイトでは意外と評価されてなかったりしたんですが、普段あまりドラマを見ないという人達が絶賛していたのが印象的でした。もし見逃してしまった方がいたら、是非ビデオを見てください。木更津と同じくらい、自信持ってお勧めします。

なんだかむやみに長くなってしまって、絆の事に触れられなくてすいません。最後のゆかちゃんモノローグです。

  「お父さん、絶対に変わらないものなんて、この世にないんですね。
   あの教授が、ここを出ると言っています。

   教授は、いかにも秋空という日に旅立ちました。
   また新しい人が入ってきて、そして誰かが出て行って。
   あの北斗七星だって、時が経てば、やがて形を変えてしまうそうです。
   星さえ形が変わるのだから、私たちに何が起きても、不思議ではないのかもしれません。
   私たちは、何が起きても不思議ではない星に住んでいるのです。」

「ハヤカワ、また似たような一日が始まるんだね。」
「馬場ちゃん、似たような一日だけど、全然違う一日だよ。」


泥船ママの似顔絵、ちゃんとアゴがとがってるんだよ。

思いがけず夢を叶えてしまったはいり刑事。ミッシェルの目玉とか、伏線が良くきいてました。

これ、三茶じゃないよね?みどりの窓口あるし…。

このエピソードはちょっと唐突かなとは思ったけど。男の子が金子君に似てたので、一瞬混乱してしまいました。

久しぶりに会った瞬間、お互い指さして大笑い、ってわかる〜。

「私は一人でのたれ死ぬ」と教授に言われて、「いやです〜」と子供のように泣くゆかちゃん。実日子ちゃんほんとチャーミングでした。

ちゃんと「基子さんの分」て取ってあるの。こういう細かい思いやりとか、お互い「ですます」口調で喋ってるとことか、女所帯なのにみんな普段からおしゃれしててだらしなくないとことか、きちんとしてていいなあと思う。

お母さんはすっかり前に戻って笑わせてくれた。ていうか「若い娘がこんな夜遅くまで!」「いや若くないし」ってやりとりとか、泥船ママに「息子さん?」なんて失礼な事聞いたり、あげく「うちの基子どうかしら?」とか言い出すところ、うちの母親かと思いました。

この「光に飛び込んで行った馬場ちゃん」は、どういう意味なんでしょうね。私は自首したんだと思いたいんだけどなあ。じゃなきゃ鍋できないもん。

朝食後のお茶碗に、梅干しの種が。馬場ちゃんはこれに泣けたと。

先週芽が出て、もうこんなに?このすいか、最後に川で冷やしてたよね。

つなよしが帰って来たよぉー!!良かったぁ。ただ絆達がすいかに気づいて庭に降りる時、既に「にゃお」って声がしちゃってた気がするのね。私の気のせい?

どう転んでもナポリには見えない道だけど、ここはナポリなのだ。ルリルリの歩き方が、とても綺麗だった。白石さんにしても、若い子組とは違って凄く姿勢がいいよねえ。